ARMマイコン用デバッガ
デバッガの選定
趣味電子工作ではSTマイコンを使用しており、デバッガにはST-Linkを使用しているのですが、 J-Linkがなかなか快適だという話も聞くので試してみたい。 せっかくなので確認した内容を一覧形式にまとめて置いておきます。
主要なデバッガ
ARMマイコン、特にCortex-MシリーズCPUを対象としたデバッガを主眼として検討していきたいと思います。
複数ベンダのチップに対応しているデバッガとしては以下のシリーズがあります。
どちらのシリーズも機能に応じていくつかの製品が販売されていますが、
基本的に最安価な物(ULink2)でも5万円とホビーで使用するには少々ハードルが高いです。
- ULINK
- J-Link
ULINKはKeil社が開発しているデバッガでARM社による買収で今はオフィシャルのツールとなっています。
J-LinkはSegger社が開発しているデバッガで多くのマイコンに対応しています。
J-Linkは非商用のデバッガJ-Link EDUが販売されています。こちらの性能は商用のJ-Link BASEと同等で、さらに性能を絞ってより安価なJ-Link EDU miniも販売されています。
また、以下はマイコンベンダが提供している安価なデバッガです。提供しているベンダのマイコンがサポートされています。 LPC-LInk2をJ-Linkとして使用する場合は明確にNXPマイコンに限定する文言があるのですが、 ST-LinkやCMSIS-DAPを使ったLPC-Link2の使用ライセンスはどうなっているのでしょう?1
- ST-Link(STマイクロ)
- LPC-Link2(NXP)
比較表
ひとまず個人的に重要な項目を書き出してリスト化します。基本的に気にしているのは価格と動作速度で仮想COMポートがあると尚よい、ぐらいでしょうか。
ブレイクポイントを張れる点数等も見比べたいのですが、マイコンベンダデバッガの情報が出てこない…
U-LinkやJ-Linkには下記の他にもっと上のランクの製品ラインナップもありますが、製品単価が5000円を超えてくるので趣味開発用にそろえるのは少し気合がいる感じです。
現実的に手が出るラインナップはここぐらいでしょうか
J-Link EDU(Base) | J-Link mini | ST-Link V2 | ST-LinkV3 | LPC-Link2 | |
---|---|---|---|---|---|
参考価格 [円] | 7000 | 2000 | 3000 | 5400 | 2800 |
SW動作周波数 [MHz] | 15 | 4 | - | 24 | - |
SWOサンプリング周波数 [MHz] | 30 | 4 | - | 24 | - |
仮想COM | 有り | 無し | 無し | 有り | 有り |
ST-LinkV2とLPC-Link2に関しては明確なスペック表が見つけられなかったので、 もし知っている方がいれば教えていただけると嬉しいです。
ST-LinkV3はSET/mini/MODSと複数の種類があるようですが、上記の表に記載した機能に関してはいずれも同じようなので好みで決めてしまえば良いかと思います。
またST-LinkV2は3000円程度で購入できるのですが、
秋月で2000円未満で入手できる評価ボードNucleo-64の上半分がそのままST-LinkV2デバッガとして使えます。
しかもNucleoボードの方は仮想COMもついているので、外装がある以外のメリットが見いだせない…
結局どれを選べばよいのか
数年前であればJ-Link EDU一択だったように思えますが、最近ST-LinkV3が出て以降は少し悩みそうです。
個人的にはSTマイコンに絞って開発するならST-LInkV3シリーズのどれか、少しでもST以外のマイコンも開発する可能性があるならJ-Link EDUといったところでしょうか。
J-Linkは付属ユーティリティが便利だという話も見たのでそちらも使い比べてみたい所です。
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知ってる方教えてくれると嬉しいです↩